よく「戦略」という言葉は聞くけれど、その定義をしっかり説明できる人は案外少ないように思う。例えば「戦略」と「戦術」を使い分けられる人は少ない。
オンライン戦争ゲームのチームリーダーをやっていた頃に戦略は大局的な作戦、戦術は現地での戦い方、と覚えたが、仕事で聞く「戦略的●●」について、その意味を定義づけて使えているかどうかというと、怪しい。「いやぁこの施策、戦略がないよね~」なんてエラソーに言っているが、「いやそもそも戦略とは?」と聞かれると答えられない。そもそも話しているお互いでさえ定義は曖昧かもしれない・・・
そんなときに出会ったのが以下の本である。
第1章が始まってさっそく問われるのが以下。
「戦略の定義は?」。マーケター育成を目的とする社内セミナーを行う際に、私が最初にする質問である。出てくる答えはさまざまだけれど、大きくは、・計画・目的・ヴィジョンや理念・方針にグループ分けできる。
うんうん、そのグループ分けに大別されるだろうなぁと思いながら読んでいると
そこでふたつ目の質問として、「これら4つと戦略との違いは?」という問いを投げかけると、多くの受講者はうまく答えられないことが多い。
うう・・・確かに、うまく答えられない。
しかしこのあと数ページ後には
戦略は有限の資源をもって目的を達成するときに必要である。ということは、戦略を定義付ければ、「目的達成のために資源をどう利用するかの指針」となる。
このように、ある意味あっけなく、かつ理路整然と定義に辿り着かせてくれる。まだ10ページ程度しか読んでなくてこの速度。しかし、もちろんこの本は戦略の定義を行う学術書ではない。戦略をどう活用すべきか?というビジネス書なのだ。
・なぜ戦略が必要なのか
・戦略を策定するには何が必要なのか
・どう活用していけばいいのか
これらを、ひたすらに理路整然と教えてくれる。
会社で「いやこの戦略は~」と語るためにはまずこの本を読んでおいて損はない。
「いや自分はそんな前のめりなキャラではない」という場合でも、いつ生意気な奴が「あんまり戦略的じゃないよね」とか言い出しても「あのお、戦略って具体的にどういう定義なんですか?」と聞いてみると、その人を見極められる・・・かもしれない。